Netflix で「母性」という映画を見ました。
とても良い映画だと思いましたので、とりあえず書き留めておいて、後日整理出来たらもっとわかりやすく書こうと思います。
今回はまとまらない話になりますがご容赦ください。
女子高生が自殺を図る衝撃的なシーンから始まり、最後はわりと良い感じで終わります。
戸田恵梨香さんがお母さん、大地真央さんがおばあちゃん、そして永野芽衣さんが自殺した女子高生の役です。
お母さん(戸田恵梨香)は、そのお母さん(大地真央)からいっぱい愛情を注がれて育ちます。
お母さん(戸田恵梨香)はやがて子供を産み、子供も自分と同じようにいっぱいの愛情を注がれて育ってほしいと願い、愛される子供の理想像を自分の中で作り上げます。
そして子供が自分の理想像と合致しない行動をとった場合は修正しようとします。
例えばこんな感じです。
子供がおばあちゃんに縫ってもらった鳥の刺繍入りのバッグの次に、今度はキティちゃんの刺繍のが欲しいとねだります。
おばあちゃんは喜んでその希望を聞き入れますが、お母さんは、おばあちゃんが自分の鳥の刺繍を否定されたと感じると思い込み、ショックで子供のお弁当を落としてしまいます。
親子で一緒に片づけながら、お母さんは
「やっぱり次のも鳥の刺繍の方が、周りの人も『鳥好きの可愛い子だ』と思ってくれると思うよ」
と進言
「でも」
と言いかける子供はお母さんの顔色を窺って、
「わかった そうする」
と、おばあちゃんに次も鳥の刺繍をお願いします。
子供に愛情がいっぱい注がれるようにというお母さんの思いは屈折して子供に届き、子供は
「お母さんに愛されるためにはどうすればよいか」
ということばかり考えるようになります。
この映画の特徴は、お母さんの視点と子供の視点の両方でシーンが再現されるところです。
同じ現象であってもお母さんと子供では違っていました。
例えばこういうことです。
さっきのお弁当を落とすシーンでは、お母さんはおばあちゃんの心情を思いやるあまり不意に落としてしまったように描かれていました
ところが子供視点でのシーンでは、お母さんが怒ってお弁当箱を床に投げつけるように描かれていました。
人間の脳には過去の経験の経験が蓄積され、そのデータに基づいた感情が生まれ反応するようにできています。
同じ犬を見ても、かわいいと感じる人と怖いと感じる人がいるのはそのためです。
この子の場合はこれまでの経験を通して、良い子でいることが愛を受けるための条件だと刷り込まれてしまったのです。
言うまでもなく、この子がお母さんから受けた愛は真の愛ではありません。
物語はもっといろいろ展開するのですが、私はこの点が凄く気になりました。
ここまで極端でないとしても、ほとんどの人は親からこういう愛され方しかしてこなかったのではないかと思います。
例えばテストで良い点を取った時は愛されるけど、そうでない時は愛されない、という具合です。
もちろん私もそういう環境で育ちました。
もっとも、どうやったら愛されるかとか、あまり考えませんでしたけど。
しかし、この家庭環境の影響が一生その人の人生を左右するほど大きいということに気づいている人は少ないと思います。
こういう育てられ方をすると、自分自身を条件付きで愛することしかできなくなり、自己嫌悪が増したり自己肯定感を高められない原因になります。
無条件に自分を愛せない人は人も愛せませんので社会全体に愛が広がらないのです。
ちょっと話がずれますが、今のピラミッド社会は愛が広がらない仕組みで出来上がっているといってもよく、家庭環境もその一つという見方ができると思います。
ピラミッドの上の方を形成している人にとっては愛が広がらない方が都合が良いので長い年月をかけてその仕組みが出来上がってきたのかもしれません。
話を戻します。
心理学では条件付きの愛によって形成された人格(通常は複数ある)のことをインナーチャイルドというらしく、ほとんどの人は幼少期に親や周りの大人からの影響でインナーチャイルドが形成されます。
これを統合することが自己肯定感を高め魂の目的(なぜ人間に生まれてきたか)を知るためには絶対に必要なことなのですが、それに気づいていない人がほとんどではないかと思います。
あと、ちょっとしたことがきっかけで発生する若年層の自殺の原因の根本は、ここにあると思います。
インナーチャイルドを自覚し統合する方法につきましては、ヤギコーチのYoutube動画が参考になりますが、もしお時間に余裕があれば、この映画もぜひご覧になってください。
とても良い映画です。
おしまい