前回の続きです。
二コラ・テスラは電球以外でエジソンを超える数々の発明をし世界を驚かせました。
エジソンと仲たがいしエジソンインターナショナル社を去った彼は職を転々としながらも次第に多くの仲間の協力を得て発電機、モーター、変圧器などを開発し交流送電技術を確立していきました。
アメリカ電気工学者協会でこれまでの成果を発表したところ大変な評判となり二コラ・テスラの名前は全米に知れ渡りました。
エジソンは自らの発明である直流送電の優位性を保つため、交流送電の危険性を訴えるネガティブキャンペーンを展開しましたが、交流送電の優位性は揺るがず人々は交流送電を選択したのでした。
しかし、彼が本当に優れているところは、フリーエネルギーの開発に全力を注いだことだと私は思います。
地球が大きな発電機であることを利用し、その電磁気的エネルギーを取り出し全世界に無線送電を行うシステムの開発は、それが達成されれば人類にとって計り知れない恩恵をもたらします。
エゴの塊のようなエジソンとは違い、テスラは自分の発明を純粋に人類の幸福実現のために使いたいと願っていたのだと思います。
フリーエネルギー
彼はフリーエネルギーを実現するため、モルガン財閥と手を組みました。
200万ドルという巨額の資金と広大な土地を手に入れ、表向きは無線通信の技術の開発に着手しましたが、彼が実際に行っていたのはフリーエネルギーの研究開発でした。
フリーエネルギーシステムは技術的には完成していたようですが、無線通信の開発が思うように進まないことに業を煮やしたジョン・モルガンが契約を打ち切ったためテスラの計画は頓挫してしまいました。
その後テスラには協力者が現れることなく、晩年に滞在先のホテルで死亡しました。
死亡したホテルには政府の人間が押しかけて資料を持ち去ったといわれています。
怪しいですね。
無線通信に関する技術はテスラによって特許申請されており、あとは実用化するだけだったのですが、テスラがフリーエネルギーの開発を優先したため、マルコーニに先を越されてしまいました。
マルコーニは後に無線通信技術の発明者としてノーベル物理学賞を受賞しました。
あれ、ちょっとおかしいのではと思いますよね。
もともと無線通信技術の特許を押さえていたのはテスラでした。
ところが、マルコーニはテスラの特許と同じ内容の特許を申請し、こちらが認められています。
後から出願された同じ内容の特許が認可されることなどあり得ない話です。
これには何か裏で大きな力が働いていたのでしょう。
テスラが最も実現したかったフリーエネルギーには大変な問題がありました。
技術的な問題ではなく、商売としての問題です。
もしもフリーエネルギーが実現してしまうと、電気がタダで手に入るようになるので電気は商品ではなくなってしまいます。
既存の電力事業によって潤ってきた財閥が危機に直面します。
モルガン財閥もそのうちの一つであり、ジョン・モルガンはテスラの真の計画に気づいて出資を止めたのかもしれません。
前回述べた、フリーエネルギー実現で困るごく一部の人たちというのは彼らのことです。
人類にとって極めて有益な発明というものは、世界を支配している人たちにとっては極めて都合の悪い発明でもあるのです。
つづく